名作として名高い作品で、読もう読もうと思いながら結構な 時間が経ってしまった。自分が「刺青」や「痴人の愛」を読んだ のは高校の頃だからもう15年も前だ。「春琴抄」はその手の女性 崇拝マゾヒズム路線の最終到達点という感じ。
読点の極端に少ない独自の文体でトロトロ語られてゆく物語はスリ ルとサスペンスに満ちていて、読むのに辛抱が必要な冷たい名作で はない。むしろ今風の言い方なら「キャラ萌え小説」とか「キャラ 読み可能」な小説と評してさほど間違いでないと思う。なにしろ盲 目の美少女で天才肌の三味線弾きが主人公であるし、あとは丁稚の 佐助が出てくるだけという主要な登場人物が二人しかいない小説で あるのだから。
ところで新潮文庫の裏表紙に書いてあるあらすじは、要約されす ぎで読書の楽しみを奪っていはしないか。漱石の「こころ」など 後半部の「驚愕の真相!」というべき部分をいきなりバラしており 特にひどい。「春琴抄」もクライマックスの事件までバラしてしま っており、マナーに反するだけでなく売り上げにも悪い影響を与え ると思うのだが。
| ライクロフト > 新潮文庫の裏表紙のあらすじネタバレは私も気になっていたところです。谷崎潤一郎作品は読んだことがないので、この本から読んでみようかな。 (2003/10/10 22:40) |
| スミス > ライクロフトさんこんにちは。ネタバレはネット上で公開される日記でも普通は触れないでいる所が多いのに、出版社が無神経なことをしてはいけませんよね。谷崎潤一郎は私も多くを読んだわけではありませんが、短編で「少年」、やや長めのものではこの「春琴抄」はかなりお奨めです。劇的な展開と構成、語り口の見事さ、ヴィジョンの強烈さなど、普通の純文学のような感じではないですね。 (2003/10/10 23:35) |
| nanako > うわわわわ・・・。私の日記で思いっきりネタバレしてました。以後気をつけねば。名作は裏表紙であらすじ紹介されていたり、ついつい読み手としての意識も軽くなってしまいますが、未読の方への配慮はしないといけないですね。反省。 (2003/10/11 12:17) |
| スミス > nanakoさんこんにちは。読みましたよnanakoさんの「春琴抄」の感想を!やっぱりその、「春琴抄」を読み返してみると、クライマックスの部分をチラリチラリと匂わせつつ話を進めているような感じなので、あんまりバラすのはよくないかな〜と思います。かえって他の人の読む気を失せさせてしまうというか。でも強制するわけではありませんので・・・。 (2003/10/11 18:58) |
| ライクロフト > 活字の大きめな岩波文庫版で読みました。面白くて一気に最後まで読んでしまいました。一言で言って、見事ですね〜。 (2003/10/13 11:00) |
| スミス > ライクロフトさんこんにちは。私も電車の中でちょっと再読しましたよ。最初の方にちょっとしたサスペンス的な要素もあって、やっぱり面白いですね。「面白くて一気に」というお気持ちはよくわかります。 (2003/10/13 13:46) |
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