な…長かった。ほぼ1ヶ月間この小説にかかりっきりでした(実生活が忙しくてなかなか読書できなかったせいでもあるけれど)。あまりに難解でちっともページが進みません。けどさっき読み終わって、「やっとこの《ムダに》長い小説から解放されるー!」といった清々しい気分です☆
『ダヴィンチ・コード』 記憶に新しい方もいらっしゃると思いますが、この『フーコーの振り子』はダヴィンチ・コードのオカルト度を100倍濃縮してさらに1000倍、複雑怪奇に輪をかけた 小説なんです。
ピラミッドが実際に地球から太陽までの距離の十億分の一の高さだったとか、ケルトの神話とインディアンの神話の間には確かに類似するものがあるとか、この世には説明できない不思議な関連性がゴマンと存在している。それについてはヤコポ・ベルボが話したように、 「いかなるデータも、他のデータと関連性があれば重要な手掛かりになり、その関連性が予想を覆してくれるのです。つまり、この世界のすべての印、私たちが目で見たり聞いたりするもの、誰かが記したものや口から発したものは、ただ表面上の意味だけではなく、必ず何か別の秘密を伝えようとしているのではないかという考えを刺激してくれるのです。その基準は簡単で、とにかく何でも疑ってかかる、ただそれだけのことなのです。」 その関連性─まあ言ってみれば単なる連想ゲームにすぎないのだが─カゾボン、ディオタッレーヴィ、そしてベルボの3人は、テンプル騎士団をネタに連想ゲームを始めた。 不可視の三十六人、クンダリニー蛇、地電流、シナーキー、地下王国アガルタ、ヘルメス、ラピス・エクシリス、カバラ、パウロ派、ベーコン派、イエズス会、サン・ジェルマン伯爵、カリオストロ、オリエント、プロトコール、デミウルゴス、南海のジム・ヨタ・ヴァレンティン、ラチコフスキー、ジャック・ド・モレー、セフィロトの木、TRES、聖刻文字(ヒエログリフ)、カタリ派、ニュー・アトランティス、プロヴァンのメッセージ……古代からヨーロッパに伝わる伝説 密教 密儀をさまざまに組み合わせて3人は歴史(妄想)を再構築し、「甘露、甘露」といってはしゃいでいた。
小説を書くのは、《歴史》を書き直すため。それも書き直してから《歴史》になるような歴史を。
もっともらしい事実をもっともらしい文献からあさってきて 歴史をつくり始めた3人。テンプル騎士団の残したプロヴァンのメッセージにはとんでもない秘密が隠されている、ということを前提に、あやしげな密議に時間を過ごす。
火遊びが度を越し、とうとう収集がつかなくなり、ディオタッレーヴィは心身ともに焦燥、そしてベルボはアッリエ(サン・ジェルマン伯爵の生まれ変わり?)から命を狙われるハメになる…。ただの遊びで作ったはずの歴史が神秘性を持ち、一人歩きを始める。
しかし、 「秘密に大きさなどあるはずがない。いくら大きな秘密と叫んでみたところで、暴かれてしまえば所詮はちっぽけな秘密にすぎないからだ。あるのは空虚な秘密、すぐに漏れてしまう秘密だけなのだ。……秘儀伝授(イニシエーション)というのは、決してとどまることのないことを会得することなのだ。宇宙をタマネギのように剥こうとしても、そのタマネギ全体が皮なのだ。宇宙は無限のタマネギのようなものと考えればいい。そのタマネギはどこを剥いても芯があるのに、そのまわりがどこにもない。要するに、メビウスの輪のようなもので作られた無限のタマネギなのだ。」
創作、妄想、常軌を逸した火遊びが、虚構と現実の境をぼやけさせる。古来、人間の疑り深さが ただの何でもない現実を何か神秘的な、伝説めいたものに変えてきた。謎は謎を呼び、日常は神話になる。……この小説はただの小説ではない。 深遠な《オカルト》妄想歴史書なのだ。
う〜〜〜ん。あのプロヴァンのメッセージにはどんな事実が隠されているのだろう?とワクワクしてたんですが、 カゾボン氏の奥さん(リア)が、たったの二日間で★解読してしまった (しかも★テンプル騎士団のメッセージでもなんでもなく★ただの配達屋の伝票だった★) というのに痛烈な皮肉を感じました(汗) 現実って得てしてそんなものですよね。胸を膨らませて楽しい想像してたのがバカみたいだ。
ディオタッレーヴィは本当に可愛そうな人でした。メランコリーで皮肉屋のヤコポ・ベルボ。もっとも感情移入してしまったよ。ロレンツァやアッリエは最期どうなったんだろう…ガラモン社長…TRESの一員だったのかいすげえ意外だったよ…
ああ読後の余韻が独特な小説ですね、これ
たちき > ついつい、コメントを書きたくなってしまいました。 私は大学で西洋史学を勉強していまして、修道院と修道僧の日常(中世史のエリアになるのですが)を研究するための推薦書になっていたのが、『薔薇の名前』でした。小説なのに推薦書になるなんて、どういう小説だよ…と当時は思っていたのですが…。ウンベルト・エーコの本は、とりこさんの仰るとおり小説というより、歴史書のようです。とびっきり怪しい歴史書ですよね・笑 (2007/07/04 21:51) |
とりこ > おお!薔薇の名前!だいぶ昔になりますけど読みましたよ。国際的ベストセラー小説ですよね。あれも本当にフクザツ怪奇で…当事、私は高校生でしたが、なかなか読了できなくて焦りましたよ!;そーそー とびっっきり怪しいんですよね(笑)連続殺人の設計図はヨハネの黙示録が下敷き!?かと思いきや実は意外と人間の欲望に根ざした(ある意味で健全)というか地に足のついた物語で…なーんだ って感じでした。 西洋史学を勉強なさっているのですね〜とても羨ましいなあ。私も歴史が大好きなのですが(といっても日本の近代史しか知りません・・;)大学では医学・科学というまったく関係ないことを勉強してます(^^; 『フーコーの振り子』、私は西洋史の素養が皆無なので苦労して読みましたが たちきさんのように西洋の歴史にお詳しい方なら楽しく読めるかもしれませんね^^ (2007/07/05 03:51) |
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